ホワイトインテリアに憧れはあったけれど「白い床」ってどうなの? 見かける素敵な写真の床は、たいていがナチュラルな木の色。またはシャビーなグレー。
汚れが目立って気を使うのでは? というのが一番の気掛かり。
昭和の床
築 35 年。昭和の家の鉄板ともいえる、フローリングとは呼べない木目の床。
かつてはもちろん新しく、ワックスもきいていて、きっとお洒落だったことでしょう。
しかし今では、傷だらけもいいところ。
どんな使い方をしていたのか、床のあちこちが削れてささくれています。クイックルワイパーがいつも引っかかってイライラ。ヤスリを丁寧にかけても、ささくれはおさまってくれなかったので、塗装でコーティングしようという下心もあったのです。
昭和の床と長年過ごしてきたから、白い床で暮らすってどんな気分だろう。期待と不安を抱きつつ塗装した時の様子は『床のペンキ塗り』をご参照ください。
さてさて、完成した白い床で過ごしてみると、良いことばかりなんですよ。
床を白くするメリット
この部屋は二階の北東に位置する作業部屋です。主に、お裁縫やDIYをする部屋。
東に掃き出し窓がひとつ。西に腰高窓がひとつあります。
洗濯物干しはこの部屋から東のベランダへ。部屋には洗濯竿が一本かけてあり、雨の日の干し場にもなる。
床に塗った塗料は『キャビネットに白いペンキを』で使用したカインズのホワイティカラーズ・ピュアホワイトです。
この作業部屋の床を白くして、良かったことは、こんなことがら。
部屋が明るくなる
南に窓のある部屋とは違い、ここは晴れの日でも薄暗く、なんとなく寒々しい。私が家を出ていた 2 年の間で母の物置になってしまうぐらい、人気のない部屋でした。それが、白い床にしてみると、見違えるほど明るくなりました。
人も昆虫と同じなのか、明るい方へ行きたくなるようで、以前は「作業部屋へ行くかぁ」と用事があっても重い足取りだったのに、今では用が無くても部屋に佇みたくなる。
片づけの甲斐もあって(参照『片づけの魔法にかけられて』)作業もはかどります。
掃除が楽しくなる
古い床だと、髪が落ちていても埃が溜まっていても、目にとまりにくい。だけど白い床なら、髪が一本落ちているだけで、埃がひとつフワフワしているだけで、すぐに目につく。
目についたら、つまんでポイ。そうして綺麗を保つことが、なぜだか楽しい。これはスキンケアと似ているかもしれません。目に見える効果があると嬉しい。白い床が綺麗になると嬉しい。
そうして綺麗を保ってる自分のことが好きになる。自己相乗効果ですねっ。
布地がたくさんあると、そのぶん埃が出やすいのですが、埃アレルギーのある私は、埃が目に見えるおかげで、日々積み重なってゆく小さなストレスが減りました。
背筋が伸びる
塗装途中の段階で気づいたことですが、白く塗ると、床がちょっと上がったというか、近くなるような錯覚が起こります。目の位置から床が近くなったように見えるので、自分の背が縮んだ気になるんです。
背が縮んだような気がするから、背筋を伸ばしてしまう。ただそれだけのことなんだけど、これってなかなか良い効果なんですよ。
天井の低い小さな家で暮らし慣れていると、無意識に身体を小さくする癖が付いてしまうものです。
それが、特別な運動や方法を意識しなくても、自然と背筋が伸びて姿勢が良くなる。これこそまさに理想の作業部屋です。
白い床が不向きな部屋
床を白くした部屋が快適といっても、白い床が不向きの部屋もあります。
例えば、南に大きな窓がある部屋。もともと明るい部屋の床を白くすると、眩しくて居心地が悪くなるかもしれません。それに、白色の反射作用で日焼けの心配が増えるかも。
それから、居間などの家族がリラックスする部屋。キッチンや脱衣室など頻繁に動きがある部屋とは違い、居間はゆっくりと腰を落ち着かせたい空間です。落ちてるゴミが一つ一つ目については、リラックスなんて出来ません。
リラックスルームを明るい色の床にしたい場合は、同じ白系でも、トーンを落としたグレーやアイボリーが良いと思います。
逆に考えると「動きを活発にしたい部屋は、明るい色の床にすると良い」ということ。
白い床は、台所・脱衣室・お手洗いなど、清潔を保って明るく爽やかにしたい場所に最適です。ただし「掃除嫌いの人には不向き」ですのであしからず。
おわりに
ホワイトインテリアって、自分には絶対合わないし、落ち着かない。そう思ってました。
だから、こんなにも快適でときめく部屋になるとは想像できなかった。
小学生の時からセンスの良い友人が、なぜ白いインテリアにこだわっているのか。その理由を、ようやく理解できた気がします。
片づけの魔法にも引き続きかかったままで、取り立てて何もない日々だけれど、そういう日々に、しあわせを感じます。
家で長く過ごす専業主婦にとって、家が快適で素敵ということは、とても大切ですね。
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