革靴のお手入れ方法は、まるで女性にとってのスキンケア。様々な方法が論じられているけれど、みんなどうしてるんだろ?と、私は常々思います。
今回ご紹介するシューケア方法は、革靴の大掃除編。長くお手入れしていないダメージ状態の革靴を、履ける状態にするまでの作業です。
はじめに
お肌が乾燥してひび割れています。深いシワには汚れが詰まっているし、出っ張った部分は擦れたり削れたり。かなりボロボロ。ときめきが去り始末された靴。このメビルケンシュトック・メンフィスは、そうして古着屋さん行きとなり、私と出会ったのです。夫には反対されたのだけど、反対を反対して連れ帰った私。
靴紐、中敷を外します。
靴底ブラシで、靴底の汚れを軽く落とします。
次にホコリ払い用ブラシで革表面のホコリやチリを払います。
靴底・アウトソール
ブラシで取れない小さな石ころは、先の尖った物で傷をつけないように、そっと取り除きます。私は古い精密マイナスドライバーを使いました。爪楊枝でも良いですね。そのあと「ほんの少し中性洗剤を入れた水」で布を湿らし、靴底表面を拭く。
溝は、ベビー綿棒が便利です。
あまり綺麗になったようには見えませんが、手で触っても大丈夫なレベル。
見た目よりも、衛生面の改善と、EVA(靴底の材質)を長く持たせるイメージ。
汚れ落とし
クリーナーを使って、革表面の汚れを落とします。私よりもレザーケアに熱心な、夫のブログを参考にしました。
XL1200
レザーグローブのメンテナンス / マスタングペーストでオイル補給
しかしながら、初めて使うスポンジが、意外と難しい。このクリーナーはローションタイプ。ちょんちょんと液を出す動作、何かに似ている。
ということで思いついたのが、お化粧用コットン。これなら扱い慣れてます。
クリーナーの含み具合がちょうど良い。革を傷つけない。適役です。
ビフォアー
アフター
コットンの毛羽が僅かに付着するので、乾いたらブラシで払っておきます。
ケアオイル
革がかなり乾燥しているので、油分を補います。
お気に入りはマスタングペーストですが、ケアオイルで有名なのは、他にミンクオイルやラナパーなどもありますので、お好みで。
オイルを指に少し取り、革に伸ばして、オイル伸ばしブラシをかける。
この方法は、マスタングの説明書にある使用方法とは違うので注意。
塗りすぎると後々、革が重くなったり、硬くなったりすることもあります。以前ラナバーをオーロラシューズに塗りすぎて、失敗したことがあるんですよ。
中敷・インソール
ビルケンの中敷は「フットベッド」と呼ばれる独特なものです。クッション材がコルク、足が直接当たる表面は本革。革特有の足型が気になるかもしれませんが、ここでは先ほどと同じようにクリーナーを使って表面の汚れを拭き取ります。
裏側は、コルクのかけらがポロポロと。
これは靴底ブラシを使って落とします。
そのあと、ケアオイルを塗ります。
左(かかと)がオイルを塗った後。中央(土踏まず)は塗る前。
しばらくはこのように染み色状態ですが、日が経てばオイルが奥まで浸透して、表面は乾いた色に戻ります。
革の中敷は「カサカサの方が靴下が滑らず歩きやすい」とも考えました。
ですがアッパー同様、革ひび割れの原因になるのでオイル補給。ただし、中敷は気持ち控えめに。
革紐
革紐もカチカチになったまま形状記憶。硬くて結びにくいです。クリーナー後、指で引っ張りながらオイルを塗り込みます。
クリーム&ワックス
靴や靴の履き方によっては、オイル仕上げで完了させたいものもあります。でも今回の靴はガンガン履き用だからクリームとワックスで保護性を強化。
・靴クリームを布で塗り、ブラシで伸ばし、磨きをかける。
・つま先だけ、ワックスを塗る。
・ブラシで仕上げる。
ワックスは、芯の入っている硬いつま先だけに塗るのがポイント。全体に塗ってしまうと、シワに溜まって固着したり、汚れが着きやすくなる原因になります。
つま先にワックスを塗布するのは、雨染みを防ぐ効果を狙っているからです。
だから、クリームは薄塗りするのに対し、ワックスは厚塗りします。
ビフォアーアフター
左がビフォアー。右がアフター。専門家のようにはいきませんが、つやっと潤いましたね。
もう片方も同じようにして、完成。色が違って見えるのは光の加減です。
深いシワのところ、革がひび割れています。割れてしまうと元には戻せないのです。
だから、割れないように、日々のお手入れが大切なんですね。
おわりに
靴のお手入れは毎日ブラシをかけるだけで、ぜんぜん違うと言われています。毎日なんて面倒だと思ってたけど、お気に入りグッズがあれば毎日が本当に楽しみ。
今では歯磨きのように靴ブラシが日常化して、外出時の気分まで違う。
ぜひぜひ試してみて下さいね。