穴の観察
最初に、どんな風に穴が空いているのか、じっくり観察します。
糸選び
次に、縫い糸選び。ニットに一番近い色を選びます。
手持ちの糸を、セーター(左下)と並べて見比べるとわかりやすいです。
シルク&リネンの糸(右)は、白っぽいですね。それに少し糸が堅いです。
糸が決まれば、いよいよ本番。
縫い方:詳細画像
これは裏返しの状態。端から順に少しずつ縫います。
一段縫い終わりました。裏から縫うのはやめにして、表に返します。
ニットの縫い代と手前の見頃を繋げるために、裏から縫いました。でも、穴自体は表から仕上がりを確認しつつ縫う方が良いです。
この穴を3回に分けて縫うので、今から一往復半します。
一気にしないで、少しずつ。
ぬいぐるみなど、表に縫い糸が見えないようにしたい時、コの字とじ(はしごかがり・渡しまつり)という縫い方をするのですが、その要領です。表面から見て、糸が見えないことを意識します。
編み糸の1本か2本をすくい取る感じ。
この部分を引き寄せて繋げています。
縫い糸を引っ張り、調整します。強く引きすぎないこと。
一段目の端まで縫えたら、方向を変えて、縫い進みます。
裏側から指で押し上げて、編み目を確かめながら。
また方向を変えて、最後の一段です。
あせらず、ていねいに。
できました。縫い糸は裏側で解けないように結びます。
どうでしょうか。
一つ目の穴が、無事に補修できました。
解説とポイント
ざっと説明しただけなので、ちょっと分かりにくいですよね。今回のニットは黒色なので、縫い糸や補修跡が比較的目立ちにくいのですが、白や明るいトーンのニットの場合は、さらにハードルが上がります。私は、洋服の落ちない汚れや、経年によるくたびれは、あまり気にしないほう。だけど、ニットの虫食いや穴開きは、とても気にします。簡単に手放せる人は良いけれど、そうではない私のような人がもしもここに辿り着いて下さったのなら、ぜひ挑戦してほしいなと思います。この長いスクロールに耐えることができたあなたなら、きっとできます。押さえていただきたいポイントは
「ニットの色に近い糸を選ぶこと」「ニットの表面が引きつらないこと」
この2つです。
私は今まで何度も穴繕いに挑戦してきましたが、繕った糸が見えてしまうと、穴が空いている時よりも悲しくなります。せっかくの努力が、僅かな糸の出現で水の泡。でも、糸の色さえ合わせておけば、多少見えても気になりません。縫い糸の質感も合わせられれば尚良しです。ニットと同化してるなぁと感じられる糸を選んで下さい。糸選びの注意点としては、絹糸や綿糸などの天然素材は、化繊糸に比べて、切れる可能性が高いこと。これはしかたのないことです。だけど、カシミヤに化繊糸を使うのも気が引ける。そういう時に、ミシン糸のような細めの糸を使う場合は、2本取りにしたりして、工夫してみて下さい。
ニットが引きつらないことも重要です。そのためにも、平らな面に穴開き部分を置いて、編み目や編み地が綺麗に流れているかを確認しながら進めましょう。私が使用しているのは、主にアイロンがけのときに使う袖万十です。無ければ膝の上でもできるけれど、万十を入れたまま曲線を使って縫うと、縫いやすいです。細かい作業なので、つい面倒になって一気に縫い合わせたくなりますが、少しずつ寄せながらつなぎ合わせていくイメージが大切です。
糸の端は「コロコロするから玉結びしない」という方法もありますが、私はそれで何度か糸が解けました。今は、針に2巻する程度の小さな玉結びをしています。
T字型の穴
二つ目の穴はここに。
穴あきの原因になってしまう織りネームは外してしまいます。
穴の形状から、T字型に縫うことに。
Tの字の、下の縦線が縫えたところ。
二つ目の穴補修が完成。
脇下の穴
3つ目の穴は、脇の下。これもT字に縫いましょうか。
その他の穴
前見頃の下のリブ上にも。
すぐそばにもうひとつ。
おわりに
この後さらにもひとつ見つけて、計6つの穴補修が完了です。もうヘトヘト。補修が終わり、毛玉取りブラシで全体を綺麗にしたら、ふんわりたたんで仕舞います。
おつかれさまでした
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for your wish
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